■巻頭言 埼玉放射線Vol.53 No.3 2005

会長就任にあたってのご挨拶
「日本放射線技師会と
協働したいのだが・・・」

社団法人 埼玉県放射線技師会

会長 小 川  清




成17年4月23日に開催された第18回埼玉県放射線技師会総会にて、本会の会長に就任しました小川 清と申します。

 放射線技師になって32年、技師会役員を経験して25年、常に前を向いて走って来たつもりです。放射線技師としてのプライドをもち、その責任を全うするために自施設から飛び出し、教えを請うて、それを持ち帰り業務に生かしてきました。また放射線技師の個人差を少なくするために、マニュアルを整備し業務の標準化を過去からすすめてきました。その後、新しい職場では、部署を超えての整合性を高める仕事をすすめてきました。また過去から法人役員の多くの先生方とお付き合いをさせていただき、たくさんの勉強をさせていただきました。このような経験を生かして本会の業務運営に生かしていきたいと思います。





療界の変革はすさまじく、最後まで残った教育界とともに競争原理が導入されはじめたが、効率論のみが議論され、本当の議論である医療の質の議論が少ないと感じている。従来からすすめてきたペーパー的専門医制度は曲がり角にきており、国民は疑心暗鬼の目でみつめつつある。一方我々放射線技師の世界でも、より質の高い医療を行うために作られた認定技師制度が花盛りである。そしてこの1年で大きくハンドルをきったことは、当該学会やある組織集団のみで認定してきた認定技師制度が、多くの関連学会の共同認定という形を形成しつつあることだ。特定の医師の影響下にある団体の認定技師制度や放射線技師会のような特定職能団体の認定は、今後社会的に評価が低くなることが予想される。また第三者の公平な評価が得られない例や、簡単な試験で合格するような安易な認定技師は、淘汰されていくだろう。身近にいる医師や看護師、医療技術者に評価される認定制度にしていかねばならない。そして専門的知識のみならず医療人としての基礎知識も問われるだろう。

 そのためには生涯教育制度を再構築し、幅の広い生涯学習を企画実践していかなくてはならない。そのファーストステップとして昨年実施したADセミナー4科目は、技師格を論外として今後の続行も検討すべきである。また本会が実行している胸部、消化管、乳房などの認定技師制度も、本会認定という現状で満足せず、もっと違った観点からも検討すべきと思っている。




人は城、人は石垣、人は堀、情は味方、仇は敵なりと知将 武田信玄が言っています。事業を成し遂げるためには、「人」がすべてです。お陰様にて、本会は過去から「人」に恵まれ、先輩も大きな目と広い心で見守ってくれます。こんな恵まれた地方技師会はないようです。

 今年度の役員スタッフは、経験深い意欲のある現理事を業務シフトさせていただき、会長のバトンタッチによるスピードのロスをなくしたいと考えました。経験豊富で活力のあるスタッフはきっと期待に応えてくれるでしょう。また副会長に就任した磯田、堀江は、新しい風を吹かせてくれることでしょう。





て、埼玉県放射線技師会の活動には大きな心配はしていませんが、日本放射線技師会にはちょっと不安があります。「株式会社日本放射線技師会出版会問題」、「被曝手帳問題」、「認定講習会テキスト版権問題」、「一連の監事の行動問題」など良識ある会員の理解が得られないような問題が噴出しています。また本会会員が「技師会の行き先を憂いてホームページを開設したこと」に対する訴状問題など、なにかおかしいと感じるのは私だけでしょうか。100歩譲って正しいことをやっているとしても、方法が正しくないのです。公益法人として「正しいことを、正しく行う」を基本的姿勢とすべきと私は認識しております。

 アイデアはたくさんありますが、会員の皆様のご支援、ご協力がありませんと実態が伴いません。会員の皆様方が小川を、そして技師会を是非とも使っていただきたく、お願い申し上げます。