■巻頭言 埼玉放射線Vol.53 No.3 2005

「そして、これから」

社団法人 埼玉県放射線技師会

会長 小 川  清




日が長くゆっくり感じ、1年が短く感じる人は老年であり、1日が短く、1年が長く感じる人は若者と言われております。会員の皆様はどう感じておられるでしょうか。私は10年以上前から1年があっという間に過ぎ去っていくという感じがしており今年も、もう半年が過ぎ去ってしまったのかという印象である。

 4月から勤務先を変更した。長年勤務した病院を続けることはそんなに難しくはなかったが、新しい仕事場を、そして新しい環境を自分に与えてみたかった。お陰様で院長をはじめ多くの職員の皆様に恵まれ、良い仕事ができそうな予感がしている。今改めて異動してよかったと感じている。新しいところはすべてが新鮮で目新しく感じる。勿論、どうしてこんなことをしているのか、なぜ、なぜだと感じる部分も多々あるが、認識を新たにする部分も多くあったことも事実だ。今回、会長職に就任したこともあり、応援してくれている職場の技師の方々に感謝したい。





て、「そして これから」である。日本放射線技師会総会が6月3日に終了した。4月23日に開催された埼玉県放射線技師会(以下本会という)総会にて決議された内容に基づいて、他の都道府県放射線技師会や代議員宛に活動を展開してきたが、反対していた定款は改正され、事業計画、予算も多少の修正を加えられたが賛成多数で決議されてしまった。そして会長不信任動議も却下された。多くの代議員は、問題点はあると認識しつつも、現状維持を支持したのだろうか。それとも全く問題がないという認識だったのだろうか。

 私は、今回の日本放射線技師会(以下日放技という)総会において問題点は多々あったし、今後その問題点を是正していく責任が総会に出席した代議員にあると思っている。そして、私は今回の総会決議を率直に受け入れ、次年度総会まで、日放技の事業計画方針に則り、日放技を支援し本会の活動をすすめていくつもりであった。それは考えを主張し、意見を戦わせて議論することは議論するが、最終的に決まったことには従い、その具体的な活動を支援し協力していくというスタンスに沿った考え方である。

 ところが、出版権訴訟に関する熊谷日放技会長の謝罪文を読んで、その気持ちはなくなってしまった。情けなくなってしまった。過去をひきづり、いいわけに終始した謝罪文は、良識ある会員の理解を、そして信頼を得られないと考えるが、皆様はどうであろうか。皆様におかれましては、是非とも本件に関して、訴訟相手の医療科学社のホームページも閲覧され、両者の見解を比較して判断をしていただきたい。




て、生涯学習は職能団体の大きな仕事の一つであります。熊谷日放技会長が常日頃から話されているこの面でのシステム化の立ち後れは、事実であり、そして他医療技術系職能団体と比較しても非常に遅れていたことも確かだ。そこで日放技のすすめている事業の中で、これだけは対応いただきたいというお願いが一つだけあります。それはベーシックカードの取得である。このカードがないと講習会や研修会への出席が歴として残っていかないのが今のシステムである。本会のベーシックカード取得者数が平成17年6月末で270人という報告がある。残念ながら会員全員に配布されないこの制度は、本当の意味の生涯教育ではないと私は考えるが、日放技の答えは本当にやる気のある方のみでよいという判断である。男の美学といって、「ポイントは入らない」、「自分が納得すればよい」という考え方をもつ人もいるが、本会としては「頑張っている人は頑張ったことを評価したい」というシステムでなければならないと思っております。カード発行に関しては、学会等では難しく職能団体だからこそ可能なことでありますし、また都道府県技師会では独自に運用しているところもあり、本会でも10年前にも検討した経緯もあります。技師格に関しては論外でありますが、生涯学習システムは、将来的な免許更新制度につながることも予想されるので、「面倒だとか、日放技はいらない」とかいわずに、カードを取得していただくことをお願いしたい。




して、これからである。私自身、会長として、本会のみならず、日放技の運転にも大きな責任を感じております。アクセルを噴かし、ブレーキをどこで踏み、ハンドルをどこで切るのか。高速道路では高速運転を、一般道においては、青信号ではすすみ、赤信号では止まる安全運転を心がけていきたい。