日本一の努力をして、日本一になろう」これは埼玉県S市にあるS高校吹奏楽部の部訓である。私はこの部訓を7年前に初めて聞いたとき驚き、そして感動した。崩れた格好の高校生が多い中、きちんと制服を着こなし、その上、高い志をもって目標に向かってすすんでいこうという彼らの姿勢に、胸が熱くなった。
努力をすればしただけ報われるのか、いや日本一の努力をしたからといって、必ず日本一になれるわけではない。実力があっても、その時の状況や運により、そんな簡単に日本一になれるものではない。大切なことは報われるまで努力し続けることであろう。努力してもうまくなれないかもしれないけど、努力しないと絶対にうまくなれない。彼らは、それを3年間の短い時間のなかでしなければならない。成功した者はすべからく努力しているものである。
最高の音楽を奏でるには、良い楽器が不可欠である。良い楽器を用い、高い実力を備えたプレーヤーに奏でられた音は、聴衆を魅了する。質の良くない楽器を使うと、音がスムーズに出ず変な癖がつく。一流のバイオリン奏者が数千万円のバイオリンを求めるのも、万人には理解できないかもしれないが、至極当然なことである。初心者においても、良い音が出やすい良質の楽器を使った方が望ましいが、楽器は一般に高価であり手に入りにくい。やはり練習を重ねて実力を高めるしかない。練習は高価でなく、でも一番効果がある。
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