平成20年度事業計画(案) 1.総括 少子高齢化に対する検討事案が新聞紙上に登場してきたのは2000年頃だったろうか。21世紀の幕開けとともに,出生数が減少する一方で平均寿命が延び高齢者が増えることにより人口ピラミッドシフトが生まれてきた。昭和30年代から昭和40年にかけて、たくさんの若者が集団就職列車に乗って東京を目指して集まった。その結果、地方では若者が減り高齢者の比率が大幅に高まった。しかしながら現在では高齢者予備軍が地方ではなく首都圏に急激に増えているようだ。現在の埼玉県民の平均年齢は他県に比べ低いが、高齢者数は2000年に比べ2015年では約2倍になると予測されている。そして当然ながら医療機関の放射線診断を訪れる患者の年齢も高齢化してきた。ましてや入院患者ではこの傾向がより強い。人口動態の変化は、我々の仕事内容にも大きな影響を与え、撮影や検査に介助が必要な患者が多くなってきた。 環境変化とともに医療経済の困窮さが、現場での業務改革とコスト管理を追いつめてきている。企業経営において効率性は生き残りをかけた重要な項目ではあるが、医療や教育界においては馴染まない感覚があった。しかし幕末の黒船的な外的圧力によって取り組まざるを得ない状況に追い込まれてしまったというのが実情だろう。取り組む以上、上からの指示だからとか、行政からということなく、仕事を国民に理解していただくためにも前向きに効率性を高めるトライをしていく姿勢が大事である。そこで我々放射線技師の業務量を単なる撮影数や検査数のみではなく、乳児や高齢者患者に対する仕事の質と大変さ(難易性)を論理的なデータとして構築していかねばならない。また撮影業務に至る患者確認から検査説明などのサービス業務内容についても高く評価させていくことも大切と考えている。 公益法人制度改革において、本会は公益社団法人格を取得することを計画し、昨年から準備をしてきたが、会員の皆様にも理解をお願いしたい。本会の組織的変革点としてホップとして昭和26年の技師会設立、ステップは平成5年の社団法人化、そしてジャンプがこの公益社団法人格取得と考えている。日本学術会議に所属している学会も数年前から自分のためだけでなく、国民のために何が出来るかが問われており、専門分野について一般市民にわかりやすく説明する「公開シンポジウム」を開催することが多くなってきた。一般市民との接点を持つことを問われているからである。本会は、過去から県レベルの健康祭りから、最近の市レベルでの健康祭りへと積極的に事業を展開してきた。この事業を少し拡大すれば良いだけと考えるので公益、公益と、他方面に目を向けるのではなく、本会会員の放射線技術におけるスキルアップを果たし、県民の健康を守ることが本会としての最大の責務と考えております。そのために、役に立つ生涯教育に一層の力をいれていきます。 平成19年4月から「がん対策基本法」が施行された。私たち放射線技師はがん検診事業において早期発見、また放射線治療において生存率の向上に寄与してきた。がん検診セミナーに参画するとともに、がんの診断・治療に関して関係団体と連携し、がん対策実施に貢献していきたい。 |
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2.基本的方針 1)「improvement改善」と「diversity多様性」 2)「complete lifelong education 生涯教育の充実」 3)「study and investigation研究と調査」 4)「cooperation連携からcollaboration協働」 3.事業計画 3.1.職業人としての質の向上(学術) 1)既存認定講習会・セミナーの定期開催と見直し ・胸部撮影認定講習会 ・上部消化管検査認定講習会 ・SARTセミナー ・RMS(リスクマネージメント)セミナー ・放射線技術部門マネージメント・セミナー
2)新しい講習会の企画 ・放射線工業界との合同開催企画 ・接遇マナー講習会 ・CT検査認定講習会(仮称) 3)会員講師の育成と体制つくり 4)研修病院の創設と育成 5)他県放射線技師会や他団体との合同講習会企画推進 ・乳房検査認定講習会(精中委と共催) ・北関東地域放射線学術大会への協力 ・5がんセミナーへの参画と参加 ・埼玉臨床画像研究会(臨床検査技師会と共催) ・日本放射線技術学会関東部会との合同開催企画 ・日本放射線技師会学会との合同開催企画 ・他学会(関東エリアレベル)埼玉開催の推進(開催支援、後援) 6)研究会活動の支援と活性化 7)アドバイザー(技術・業務支援)の創設・育成 3.2.組織運営に関わる事業(総務) 1)会員属性の見直し(会員番号付与、正会員・ロイヤル会員の見直し) 2)会員DBの再構築 3)行政との連携・ 埼玉県医療整備課との頻繁な情報交換 4)公益法人制度改革への対応・準備 3.3.公共事業(公益・情報、地区会) 1)市民公開講座の開催 2)漏洩放射線線量測定事業の推進 3)医療画像展の開催と支援 4)ホームページの充実(市民、会員) 5)医療被ばくの啓発 6)医療被ばく相談の迅速な対応 3.4.出版事業(編集) 1)会員を結ぶ情報誌(学術情報の提供) 2)ホームページとの役割分担 3)企業と会員を結ぶホームページ 4)メールマガジンの有効活用 3.5.財務 1)直納制への対応 2)健全財務状況の継続 3)新公益法人会計基準への適応 4)技師会センター修繕計画立案 3.6.その他 1)役員外の会員登用によるプロジェクトチームの創設 2)放射線管理士、放射線機器管理士の活動の促進 3)中長期計画の策定 4)医療技術関係団体との連携 以上 |