平成21年度事業計画(案) 1.はじめに 最近、新聞紙上に「医療崩壊」という文言が頻繁に掲載されております。崩壊は医療のみならず学級崩壊、家庭崩壊など多方面にわたっており日本のシステムが根本から崩れ落ちてきているかの印象があります。WHO2000年報告において、日本はスキルの高い医療スタッフが、先進国最低水準の医療費にて世界最高レベルの平均余命を達成していると高い評価を出しておりますが、私たちはその裏側で少ないスタッフ数にて毎日恒例となった残業や当直明けのない長時間勤務、そして低待遇に裏付けされていることなどの自己犠牲によって成り立っていることを知っております。しかしながら医療界で常識としてまかり通ってきたことが社会的に非常識と次々と指摘され、問題を突きつけられてきたこと対し医療人は自己犠牲の強い方が多く、声高に社会に向かって叫んでいるケースは少ない。 医師・看護師不足に対し診療放射線技師はどうであろうか。赤字経営の病院倒産に際し事務員と共に医療技術系技師が最初にリストラの候補にあがることもあると聞き、受け身作業になれてきた診療放射線技師にとっては世間の風は冷たい。皆で知恵を出し合い、今の時代に診療放射線技師に何ができて何ができないのかを真剣に考え提案していきたい。医療から見放された人のためにも。 今年度の第1課題は、新公益法人制度移行認定を迅速に且つスムーズにすすめることです。情報収集を済ませ実行部隊をすでに組織しておりますので着々と準備をしていきます。そして公益という事業展開を図ります。第2課題は職能団体としての組織強化です。会員証を作成し活動の充実を図り会員数の増加を図ります。社会性に富んだ診療放射線技師集団を目指します。第3の課題は高度化、多様化する会員のニーズに対応することです。多様化は日本社会のテーマですが、会員の要望を掘り起こして具現化していきます。 本会は先人達によって昭和26年に発足した57年の歴史をもった組織です。我々理事はこの組織を一段ステップアップさせるために公益社団法人格取得に全力投入致します。会員各位の変わらぬご支援ご協力をお願い申し上げます。 2.基本方針 1)「improvement改善」と「diversity多様性」 2)「complete lifelong education 生涯教育の充実」 3)「study and investigation研究と調査」 4)「cooperation連携からcollaboration協働」 3.事業計画 3.1.職業人としての質の向上(学術) 1)既存認定講習会・セミナーの定期開催と見直し ・ 胸部撮影認定講習会 ・ 上部消化管検査認定講習会 ・ SARTセミナー ・ 放射線技術部門マネージメント・セミナー (医療安全、接遇・クレーム) ・ CT検査認定講習会 2)新しい講習会の企画 ・ 放射線工業界との合同開催企画 ・ 接遇マナー講習会(クレーム対応を中心に)をマネージメントセミナーとして 3)会員講師の育成と体制つくり 4)他県放射線技師会や他団体との合同講習会企画推進 ・ 乳房検査認定講習会(精中委と共催) ・ 関東甲信越放射線技師学術大会への協力 ・ 埼玉県医師会主催事業への支援の参加 ・
埼玉臨床画像研究会(臨床検査技師会と共催)) ・ 日放技学会関東部会との合同開催企画 ・ 日本放射線技師会学会との合同開催企画 ・ 他学会(関東エリアレベル)埼玉開催の推進(開催支援、後援) 5)研究会活動の見直し 6)アドバイザー(技術・業務支援)の創設・育成 3.2.組織運営に関わる事業(総務) 1)会員カード(会員証)の発行 2)行政との連携・ 埼玉県医療整備課との頻繁な情報交換 3)公益法人制度改革への対応・準備 3.3.公共事業(公益・情報、地区会) 1)市民公開講座の開催 2)漏洩放射線線量測定事業の継続 3)医療画像展の開催と支援 4)ホームページの充実(市民、会員) 5)医療被ばく線量の最適化 6)医療被ばく相談の迅速な対応 3.4.出版事業(編集) 1)会員を結ぶ情報誌(学術情報の提供) 2)ホームページとの役割分担 3)企業と会員を結ぶホームページ 4)メールマガジンの有効活用 3.5.財務 1)健全財務状況の継続 2)新公益法人会計基準への適応 3)技師会センター修繕計画および再建築への立案 3.6.その他 1)役員外の会員登用によるプロジェクトチームの創設 2)放射線管理士、放射線機器管理士の活動の促進 3)中長期計画の策定 4)医療技術関係団体との連携
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